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福島市をアスパラガスの産地に!データで極める新時代の農業

株式会社Good field farm(グッドフィールドファーム)

福島市瀬上町でアスパラガスのハウス栽培を中心に営む「株式会社Good field farm」。震災後に増えた遊休農地を活かしたい、福島市の農業を盛り上げたいという思いから2021年に立ち上げ、今では市内外に35棟のハウスを構えるほどの規模へと成長しました。
代表の飯畑さんが掲げる「データをもとに確かな管理を行う」という方針のもと、日々の分析と地道な作業を積み重ね、その品質は一般社団法人日本野菜ソムリエ協会主催の「野菜ソムリエサミット」で金賞を受賞するなど、高く評価されています。

INTERVIEW

2年連続金賞を受賞!品質への妥協なき姿勢

同園の主力品種は「ゼンユウガリバー」。収穫量が多く、太さや形がそろいやすい高品質な品種で、データ管理を重視する栽培方針とも相性が良い品種です。

販売するアスパラガスは、「陸奥(みちのく)産の竜髭菜(アスパラガス) 将軍」という商品名で展開しており、「品質・味ともに日本一を目指す」という思いが込められている、生で食べても甘くて美味しい自慢のアスパラガスです。

野菜ソムリエサミットでは2年連続で金賞を受賞。旬を迎える春はもちろん、品質維持が難しいとされる夏の収穫分まで、「根元から穂先まで濃厚なうまみがぎっしりつまっている」等と高い評価を得ています。

アスパラガスのおいしい食べ方を尋ねると、「茹でると旨みが逃げてしまうため、焼くか電子レンジで温めるのがおすすめ」と飯畑さん。火を通しすぎず、シャキッとした歯ごたえを残すのがコツで、バター炒めやベーコン巻きなどとも相性抜群です。

データが支える、35棟の大規模アスパラガス農園

福島市下飯坂薬師に広がる、アスパラガス栽培用の14棟ハウス

Good field farmでは、福島市下飯坂薬師14棟、同瀬上町桜町11棟、川俣町10棟の計35棟のハウスでアスパラガスを栽培しています。最大の特長は、ハウス全体を徹底的に数値化し、データに基づいて管理していることです。

専門会社による土壌分析を年3〜4回実施し、土壌の栄養状態を細かくチェック。その結果にもとづき、20種類ほどの肥料を使い分け、畝(※1)ごとに必要な配合を数値で算出して設定します。灌水システム(※2)に投入された肥料と水は自動で各ハウスに送られ、年間を通して品質の安定したアスパラガスを育てることができます。

※1 畝(うね):ハウス内の土を盛り上げた部分

※2 灌水(かんすい)システム:植物への水やりを自動で行うための仕組み

完全自動化された灌水システムが、各ハウスに最適な水と肥料を届けている

また、全35棟をわずか8名のスタッフで運営している点も特徴。スタッフの中には海外からの技能実習生も加わり、少人数で効率よく運営できる生産体制が整っています。

工程を徹底的にシステム化し、経験則だけに頼らず「変わり続ける気候に対応するためのデータ管理」を軸にした農業を展開しています。

Good field farmが生まれた背景と原点

農園が立ち上がったのは2021年。増え続ける遊休農地を前に「この土地をなんとかしたい」という思いを強く抱いたといいます。

もうひとつの原点は、飯畑さん自身の「アスパラガス愛」。外食でアスパラガスを見つけると必ず注文してしまうほどの好物だったことから、栽培する作物は迷わずアスパラガスに決めました。

とはいえ、趣味の延長で農業を始めるつもりはありませんでした。福島市をアスパラの産地にするという意気込みで当初から一定の規模で取り組む構想を描き、地元の農業を本気で盛り立てる決意で挑みました。

研修と視察で磨いた、アスパラガスづくりの基礎力

しかし、新規就農の道のりは決して平坦ではありません。農地取得や法人化に必要な許可申請など、最初の半年は手続きに追われ、なかなか計画が進まなかったといいます。

アスパラガス栽培をゼロから学ぶため、飯畑さんは保原町のアスパラガス農家で半年間研修を受けました。東北でも指折りの収穫量を誇る農家で、現場のノウハウを直接吸収できたことが大きな財産になったとのこと。

さらに様々な産地を巡り、「農業」という当初のイメージは一変。気候、土壌、温度、肥料管理。アスパラガスづくりは想像以上に繊細で、経験だけに頼らない栽培の重要性を痛感したと話します。

立ち上げ当初の2年間は、朝4時から深夜まで作業が続き、「アスパラガスが夢に出るほどの忙しさだった」と振り返る飯畑さん。それでも、自身で育てたアスパラガスを口にすると「やっぱりおいしい!」と感じられるといいます。

細やかな作業の積み重ねが、アスパラガスの力を引き出す

アスパラガスは1日に10〜20cm伸びることもある成長の早い作物です。そのため同園では朝と夕方、1日2回の収穫を行います。真夏は朝5時から収穫が始まり、3人で3時間かけて丁寧に摘み取り。日中の最も暑い時間帯は休憩に充て、夕方になると再び収穫や管理作業へ向かいます。

一方、冬は翌春の収穫を左右する重要な準備期間です。黄化した茎は草刈機でまとめて処理するのが一般的ですが、同園では1本ずつ手で抜き取ります。

「草刈機では茎や根が地中に残り、病気や害虫の原因になってしまいます。だからこそ、1本ずつ手で抜く。品質を決めるのはこうした一見無駄に見える作業なんですよね」と、飯畑さんは力強く語ります。

若い担い手が安心して続けられる環境づくり

アスパラガス管理を担当する本多さん

農園を支える重要な存在が、栽培管理を担当する本多さんです。真夏の暑さや冬の寒さといった厳しい環境の中で日々ハウスを巡回し、アスパラガスの状態を丁寧に見守ります。「頑張った分だけおいしいものができる、収穫量が増えることが、仕事のやりがいにつながっています」と本多さんは話します。

一方で飯畑さんは、「農業は休みがない”キツイ労働”と思われがちですが、無理な働き方はしてほしくないんです」と話します。腰に負担がかかる収穫作業を補助する収穫機の導入や、各種作業の自動化を進めているのもそのためです。技術と働きやすさの両方を重視しながら農業の”ホワイト化”を進め、若い担い手が長く働ける環境づくりに取り組んでいます。

座ってアスパラガス収穫作業ができる収穫機を導入

福島市を「アスパラガスの産地」へ育てたい

アスパラガス産地として知られる福島県会津地方と同様に、気候の寒暖差を活かせる福島市もアスパラガスと相性の良い土地です。かつて福島市にもアスパラガス生産者の部会が存在していたことからもその可能性の大きさがうかがえます。飯畑さんは、周辺の生産者を巻き込みながら「福島市のアスパラガス技術はすごい!」と胸を張れる産地に育てたいと考えています。

震災後の遊休農地を活かしたいという思いから始まり、データを駆使し、手間を惜しまない姿勢で品質を磨き続けてきた姿は、新しい農業の形そのもの。「農業を選んでよかった」と力強く語る飯畑さんの姿勢は、今後の福島市のアスパラガス産地化を力強く後押ししていくことでしょう。

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