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木と語らい1日1日を丁寧に積み上げる

大内果樹園

福島市の西側を走る県道5号線、通称「フルーツライン」沿いに広がる大内果樹園。園主の大内徹也さん・美千代さんご夫妻は、「大好きな果物を作りたい」という想いを胸に、2011年4月に三重県から福島市へ移住し、果物作りをスタートしました。現在、桃は「あかつき」や「さくら白桃」、りんごは「サンふじ」をメインに栽培し、丁寧に育てた果実を全国へ届けています。

INTERVIEW

話を聞いた人:大内果樹園 大内徹也さん・美千代さん
             愛犬の福ちゃん

果樹農家への道のり

もともと三重県のスーパーマーケットで青果部門に勤務していた徹也さん。農家の方々と接するうちに、「売る側ではなく作る側になりたい」という思いが募っていきました。
果樹農家になるという夢の実現を目指し、岡山県や山梨県などさまざまな産地を見て回る中で、最終的に選んだのは福島。栽培できる果物の種類が多いことが、果樹王国である福島の魅力だったといいます。また、両親の故郷が二本松市だったこともあり、徹也さんにとって福島は馴染みのある場所でもありました。

移住の決断を固めて準備していたものの、2011年3月に東日本大震災が発生。福島への移住を周囲から心配されました。しかし、すでに仕事を辞め、アパートも引き払った後だったため、迷う時間はありませんでした。「ここまで決めたのだから、行くしかない!」と決意を固め、予定通り福島へ。逆に、「こんな時だからこそ、福島で果樹農家として頑張ろう」と、気持ちはより強まっていきました。

2011年4月から福島市の果樹研究所で講習生として果樹作りを学び、翌年からは農家での現場研修を経験。朝から晩まで畑で汗を流し、果樹栽培の基本を一から学びました。2年間の研修を経て、2013年に独立し、夫婦二人三脚で果樹園を営んでいます。

反対を押し切って選んだ農業への道

農業は決して安定した仕事ではないため、最初は奥様の美千代さんもご両親も大反対。しかし、徹也さんの強い意志に押され、美千代さんも「一緒についていこう」と決意しました。

「基本に忠実に、作業を丁寧に行う」
これは大内さんご夫妻が大切にしていることです。一本一本の木の状態を見極め、手間を惜しまず丁寧な作業を続けることで、質の高い果物を育てています。美味しい果物を作るためには、日々の手入れが欠かせません。剪定や摘果、施肥のタイミングを見極めながら、最適な環境を整えています。

変わりゆく自然と向き合う

ここ10年ほどで、果樹栽培を取り巻く環境は大きく変わりました。特にりんごは年々栽培が難しくなっており、「今までのやり方では同じ品質のものが作れなくなってきた」と徹也さん。りんごは霜が降りなければ蜜が入らず、着色もしないなど、気候変動の影響を強く感じています。

「このまま続けるべきか、新しい果樹や品種に切り替えるべきか」
そんな葛藤を抱えながらも、日々情報収集を重ね、試行錯誤を続けています。気候の変化に対応しながら、美味しい果物を安定して提供できるよう努力を続けています。

果物を育てる楽しさが、農業への原動力

徹也さんが農業を続ける理由は、「作ることが楽しい」から。

「自分の手で育てた果物をお客様が喜んでくれる。それが一番のやりがいです」と徹也さんは話します。

サラリーマン時代よりも大変なことは多いですが、それ以上に農業の面白さを感じながら日々畑に向き合っています。自分で手をかけた果実が実り、その果実を食べた人が笑顔になる。そんな瞬間があるからこそ、農業はやめられません。

「安心の証」JGAP認証取得と新たな挑戦

2020年にはJGAP認証を取得。「安心・安全な果物づくり」に努め、ネット販売やふるさと納税なども活用して、多くの人に福島の果物を届けています。

さらに、美千代さんは現在6次化商品の開発にも力を入れており、「りんごのスープ」の発売も間近。りんごの風味を生かし、デザート感覚で飲めるスープは、子どもから大人まで楽しめる一品になりそうです。今後も新たな加工品の開発を進め、果樹園の可能性を広げていく予定です。
気候変動による不安要素はあるものの、「基本に忠実に、丁寧に作る」という信念は変わりません。
「農業は大変なことも多いけれど、自分たちが心を込めて育てた果物が誰かの幸せにつながる。それが一番の喜びです。」

福島の地で夢を叶えた大内さん夫妻、これからも、福島の豊かな自然の中で、愛情を込めた果物作りを続けていきます。

大内果樹園

住所:福島県福島市飯坂町平野字柳ノ下44-1
TEL&FAX:024-542-2571
メイン商品:桃・りんご(贈答用・家庭用各種)、ジュースなど

ご注文、問合せはTELまたはFAXで。ホームページの問い合わせ欄からも、お気軽にご連絡ください。


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