話を聞いた人:有限会社あづま果樹園 代表取締役 吾妻正一さん
1年のうちの半年以上、果物が楽しめる果樹園
「果物はもちろんですが、人気なのは自家生産のフルーツ果汁を使ったソフトクリームやスムージー。ドライブの際に立ち寄っていただければと思います」
そう語るのは、あづま果樹園代表取締役の吾妻正一さん。この果樹園の三代目です。こちらでは、6月に「さくらんぼ」、7月中旬~9月上旬に「もも」、8月下旬~10月中旬に「なし」、9月上旬~10月上旬に「ぶどう」、10月中旬~12月中旬に「りんご」と、1年のうちの半年以上もの間、果物を収穫できます。今回の取材中も観光バスが立ち寄り、たくさんのお客さんで賑わっていました。
会社員を経て22歳で就農
実は、もともと実家の果樹園を継ぐつもりはなかったと話す正一さん。学校を卒業して、しばらくは一般企業に勤めていました。
その後、県の果樹試験場(現・果樹研究所)で働いていましたが、そこで「果樹栽培を仕事にしても良いかな」と思うようになり、実家の果樹園を継ぐことを決意。22歳で就農し、現在に至ります。
6次化商品にも力を入れている
あづま果樹園では、6次化商品にも力を入れています。6次化商品とは、簡単に言えば農産物加工品のこと。こちらでは、収穫した果物をジュースやジャムなどに加工して販売しています。
さらには、県外のイベントに出店し、これらの商品を販売するなど積極的に展開。「受け身ではなく、『攻めの姿勢』で商売しています」と正一さんは話します。「常に何か良いアイデアはないか、考える日々です」と、その語り口は仕事への情熱とやりがいに溢れていました。
猛暑と天候不順を乗り越えて
2023年の夏は猛暑でした。加えて同年10月に天候不順の日があり、特に「ふじ」は着色が進まず赤くなりにくかったそうです。しかし、例年より赤みが弱いものの、糖度は高めで、とても甘いふじができたとのことです。
「自然相手には、なかなか対策が取りづらいですね。それは農業の難しさの1つであります」と正一さんは話していました。
一般的に、猛暑の年は虫の被害が出て、長雨の年は病気の被害が出るといいます。2023年は両方の被害が重なり、りんごにとっては厳しい年となりました。それでも、りんごは元気に育ち、無事お客さんの手元に届いています。
あづま果樹園の今後
最後に、正一さんに果物づくりのこれからについて聞いてみました。「県内外問わず、皆さんに『美味しい』と言ってもらえるものをつくっていきたいですね。お客様の期待を裏切らないようなものを、つくり続けることに尽きると思います。」
「福島市の果物は世界的に見ても美味しい」と語る正一さん。さくらんぼからいちごまで、複数の品目を並行して生産し、ほぼ1年中果物が収穫できるのは「くだものの宝石箱 福島市」ならではです。
有限会社あづま果樹園
住所:福島県福島市飯坂町平野字西原1-13
電話:024-542-1460
メイン商品:さくらんぼ、もも、なし、ぶどう、りんご