話を聞いた人:有限会社バイオグリーン研究所 代表取締役 安川英衛(やすかわひでえ)さん
福島市岡部にある有限会社バイオグリーン研究所は、ビニールハウスの中で土を使わずに水と養分で育てる”水耕栽培”という方法でメロンを栽培をしている農園です。
メロンは一般的に畑の土の上で育ちますが、ここのメロンは桃やリンゴのように頭上に実り“宙に浮かせたまま完熟”させることから「天空メロン」と名付けられています。
最新の水耕栽培技術が成し遂げたこと
根の生育に理想的な環境を作り出す「町田式培養槽」という最新の水耕栽培技術を採用し、メロン栽培をしているバイオグリーン研究所。1玉2kg前後あるズッシリとした大玉メロンを栽培しているのは、なんと全員が60歳以上の還暦を迎えた従業員の方々で「一般的な農業のようにかがまないから作業が楽」と口々に話されるからから驚きです。
メロンの収穫時期を迎えた9月。同園のハウスにお邪魔すると、一般的なメロン栽培とは全く違う光景が広がっていました。
メロンは一般的に、容器栽培(鉢やプランター)で育てると、1株から2~3個。地植え栽培すると5~8個程収穫できるそうですが、こちらの栽培方法は、なんと1株から30〜40個程のメロンが収穫できるそうで「この方法だと、養分と酸素が根っこのすみずみまで行き渡るから、通常より実を多く付けることができるんだ」と安川さん。
他にも露地栽培に比べ剪定などの手間が少ないというメリットや、1年を通して栽培できるビニールハウスでの温室栽培ということもあり「じじばばでもできるほど、土で作るより手間が掛からない。うちのところでは年に3回転くらいしているよ」と、従来よりも栽培効率が格段に上がった現状を教えてくれました。
異常気象にも左右されにくい栽培方法
近年の異常気象や自然災害についてどう感じているか伺ったところ「ハウス栽培の良いところは、露地栽培ほど異常気象などの影響を受けないところ」と安川さん。
だたハウス栽培にもデメリットがあり、雪でハウスが潰れたり、大きな台風でハウスが飛ばされたり…という経験もされてきたそうです。また近年の燃料価格の高騰は、特に冬場のハウス栽培に大きな影響を与えているそうですが「メロンを作り始めて7〜8年だけど、元々はハウス屋!独自のアイディアや技術力によって効率良く、環境にやさしい省エネ型農業用ハウスを開発し、40年以上携わってきた。今も色々工夫して頑張ってる」と教えてくれました。
やりがいではなく生きがい
80歳を迎えた安川さんに、この仕事のやりがいを伺うと「やりがいというより、もはや生きがい。ボケ防止にもなる。重労働じゃないからできているね」と笑って話してくれました。
安川さんからのメッセージ
「天候によって変わる毎日の日照を把握しながら、一つひとつ時間を掛けて育てた大事なメロンです。是非食べてください」
有限会社バイオグリーン研究所
住所:福島県福島市岡部北川原
TEL:080-2834-1891
メイン商品:天空のメロン